Blog
2023/10/30 22:03
珈琲の起源については諸説ありますが、次の2つが有名です。
1.「ヤギ飼いカルディ」の伝説 ----キリスト教
9世紀のエチオピアで、ヤギ飼いの少年カルディが、ヤギが興奮して飛び跳ねる
こに気が付き、修道僧に相談しました。
修道僧は、ヤギが山腹にある赤い実を食べていることが原因であることを突き止
め、修道僧はその赤い実を修道院で眠気覚ましとして使用してみて、その効果があ
ることが実証され、利用されるようになりました。
原典は、レバノンのキリスト教徒ファウスト・ナイロニの著書である「コーヒー
論:その特質と効用」(1671年)に登場する「眠りを知らない修道院」のエピ
ソードです。
2.「シェークオマール」の伝説 ----イスラム教
13世紀のモカ(イエメン)で、イスラム神秘主義修道者のシェークオマールが、
モカ王の娘の病気を祈祷で癒したとき、オマールはこの娘に恋をしてしまい、これ
が王に発覚。オマールはオウサブという地に追放されました。
オマールは、追放された地の山中で素晴らしい羽を持った小鳥が枝にとまり陽気
にさえずるのを発見し、思わず手を伸ばしましたが、木の枝には花と果実があるだ
けでした。
空腹だったオマールはこの実を摘み取って洞窟に持ち帰りスープを作ってみよう
とします。その実からは素晴らし香りのよい飲み物が出来き、飲んでみると元気が
出たような気がしました。
オマールはこれをモカに戻り、モカの住人に与え、病気に苦しむ多くの人々を救
うことが出来ました。この功績によりオマールはモカからの追放が解かれ、モカの
街で再び修道者として迎え入れられたそうです。
原典は、アブドゥル・カーディル・アル=ジャジーリーの著書『コーヒーの合理
性の擁護』(1587年)写本で、千夜一夜物語をヨーロッパに紹介したアントワー
ヌ・ガランの著書「コーヒーの起源と伝搬」(1699年)によって紹介されて
います。
上記は代表的な伝説であり、他にもいくつか説があります。
ここで注目いただきたいのは、一方はキリスト教、もう一方はイスラム教と、宗教的な
色を呈している点です。
1500年頃から珈琲は世界に広まり始めますが、その発端こそ「我が宗教によるものである」と布教活動の一端として利用されたのではないかとも考えられます。
これらは伝説であり、真実なのかは・・・。
でも、古の伝説に思いを巡らせ、珈琲を飲むのも、また楽しいのでは(^_^